名古屋出張 ~あの時諦めなかったから今がある~運命のフルーツポンチ(ヨーグルトがけ)

昨日1月25日は名古屋に出張でした。日弁連弁護士業務改革委員会の委員長会議が名古屋で開かれたのです。テーマは弁護士業務広告についてでした。
 弁護士業務の広告といえば、個人の法律事務所が借金整理についてのテレビCMを流していることが皆様には馴染み深いのかも知れませんね。
 今回の会議では、弁護士会(日弁連)としてどのような業務広告をしていくべきなのかということで議論しました。会議では、全国各地の弁護士会が行っているテレビCMが放映されました。大阪弁護士会ではかなり多額の広告費を使っておられたようですし、その他の都会地の弁護士会は、広告のテーマを絞ったり軽いダジャレを混ぜたりして、それぞれ工夫したCMを流しておられました。大都市の弁護士会だけでなく、山形県弁護士会では、おしんの小林綾子さんを起用して多重債務のCMを流しておられ、これにはビックリしました。島根県弁護士会では、テレビCMを流そうなんて話は出たことがありませんし、そのような財政的基盤がないので、同じような境遇の弁護士会が女優さんを起用してCMを流しておられたのは衝撃でした。今後は、日弁連などを通して弁護士のテレビCMが流れる機会がさらに増えてくる思います。弁護士が、市民の皆様にとってどんどん身近な存在になっていくことでしょう。

 ところで、私は、弁護士になってから、名古屋に出張したのは、今回が初めてでした。司法試験受験以来の名古屋でした。私の場合、司法試験はもともと大阪で受けていたのですが、色々あって誰も知った顔のいない名古屋での受験に切り替えました。
 今回宿泊したホテルは、合格した平成16年に宿泊したのと同じ名古屋駅近くのホテルでした。私が合格した頃の司法試験は、簡単に言いますと、5月の択一試験(マークシート)、7月の論文試験(文字通り論文試験です)、10月の口述試験(法律の問題を口頭で答える面接試験です)の3段階あり、各段階で合格した者だけが次の段階に進め、途中で落ちると来年は最初から受けなおしという試験でした。そして、最終の口述試験はほとんどの人が合格する試験のため、2段階目の論文試験が天王山と言われおり、論文試験は、一科目2時間の試験を6科目二日間に分けて実施するというものでした。
 平成16年の論文試験では、私は初日3科目の出来が自分では凄く手応えがありました。そのため、初日が終わった時点で早くも合格を意識してしまい、夜に興奮し過ぎて、一睡もできずに二日目の朝を迎えてしまいました。布団に入っていましたが、全く眠れなかったのです。自分の浅はかさを悔いるとともに、一睡もせずに真夏にこれだけの過酷なスケジュールで試験を乗り切るだけの体力が自分にはあるのだろうかと絶望的な気持ちになりました。
 しかし、私は、その年は「今年落ちたら司法試験は諦める」決意で命がけで勉強に打ち込んできましたので、「一睡もできなかったくらいで落ちる訳にはいかない!」と自分の心を奮いたたせました。まずは、寝てなくてもメシ食えばなんとかなるだろうと思い、ホテルの朝食会場に行きました。しかし、なかなかご飯が喉を通りません。そこで、私は甘いものやフルーツが好きなので、フルーツポンチをお皿いっぱいに盛り、その上にヨーグルトをかけて食べてみました。そうすると、突然食欲が出て食べれたのです。
 ここでエネルギー補給を出来たことが起爆剤になり、その日の試験をなんとか乗り切ることができ、司法試験合格にこぎつけることができたのです。
 今回の名古屋出張でも、その時と同じホテルの同じ席でフルーツポンチにヨーグルトをかけて食べました。もうあれから6年近くが経過しました。これからの人生も、あの時の気持ちを忘れずに歩んでいきたいと思います。

名古屋出張 ~あの時諦めなかったから今がある~運命のフルーツポンチ(ヨーグルトがけ)