最近、私のお知らせ欄の投稿は、ゴルフ日記の様相を呈しておりましたので(笑)、このあたりでマジメなお話をさせていただきます。
今年の3月2日のお知らせ欄でも記載させていただきました通り、
私は、経済産業省中小企業庁主催のちいさな企業未来会議のコアメンバーに選任されております。
https://www.chusho.meti.go.jp/miraikaigi/index.htm
そして、今日は、同会議の地方会議【島根県出雲市】が出雲商工会議所で開催され、私も地元のコアメンバーとして出席してまいりました。
地元の商工団体の関係者や、地元企業、金融機関、私のような弁護士や税理士などの士業専門家など25名が出席し、その他オブザーバーとしておそらく50名から70名くらいの方も出席されました。 この会議は、経済産業省中小企業庁が主催し、国家の中小企業施策としてどのような策をとっていったらいいのか、さらには根本的にどのような理念で取り組めばいいのかを、全国各地をまわって広く意見を吸い上げようという趣旨のものです。全国から意見を聴いて回るとういうのは、おそらく、国家的には画期的なものなんだろうと思います。
出てきた意見としては、
①国家の中小企業施策はたくさんあるのかもしれないが、分かりにくくて使い勝手が悪い。行政などでも人事異動が多く、その分野の専門家が育たず、中小企業支援施策をアドバイスしてもらいたくても結局たらいまわしになる。
②零細企業では、新規事業をしたり新しい機械を買ったり、都会での出店会などをしたいと思っても、結局お金がない。そのようなものに対する国家からの資金的な助成が欲しい。
③東京の会議に出ると感じるのだが、都会と地方でニーズが違う。その地方ごとにあった施策をうてないのか。
などなどでした。
私も発言させていただきました。概要としては、
中小企業には、経営が厳しく倒産の危機に瀕している会社から、順調に成長していて、今後は事業拡大や海外展開などを見据えている会社まで様々あります。
成長している会社は、放っておいても自分達で成長していくし、国家からの支援策もうまいこと利用して成長していきます。他方、経営が思わしくない会社への支援が難しい。市場からの退出も考えざるをえない会社もありますが、従業員や取引先のことを考えると、簡単には市場から退出できません。
一つ言えるのは、経営の手法についての各種セミナーなどは、国家絡みでもよく開催されていて、みんなが飛びついていますが、もっと経営者は経営の心・マインドというものをもっとよく学ぶべきではないか。「経営者としての覚悟」です。
自分自身を考えてもそうですが、経営者というのは、基本的には損な役回りです。もちろん、一時的には儲かることもあって、いい車に乗ったりいい暮らしをできるし、一般の従業員と違って自由に自分の時間を使えることもあります。
しかし、経営者は確かに自分で時間を自由に使えますが、それは自由に遊んでいいという意味ではなく、時間をどうマネジメントしていくかは、自分の責任で決めることなのです。むしろ経営者としての責任の重さを考えると、24時間会社経営に拘束されていると言っても過言ではないのです。従業員の生活を守り、自分自身は会社の保証債務を背負わされ、会社がダメになったら身ぐるみを剥がされる…。
事業を展開・拡大していくにつれ、従業員が増え、取引先も増えてきます。経営者である以上、従業員を守っていくという決心、覚悟が必要なのです。
日々の事業にあたって、会社として経営者としてストレスのかかる、大変な決断を迫られることもあります。そのような時に、「オレが全ての責任をとってやる」という気概を経営者としてもてるでしょうか。楽しい時は経営者ズラして、いざ厳しくなった時に、逃げてしまっていないでしょうか。
このように、経営者というのは、大変な責任を背負って生きていくのであり、それ相応の覚悟が必要なのです。この苦しみや責任感の重さは、経営者になった者でないと分かりません。お役人の方々にも分かりません。
国家から支援を求める前に、経営者自身が、意識を高める必要があるのです。覚悟を決めないといけないのです。まず、そこの土俵に乗った上での国家的な中小企業支援なのです。
以上のようなことを発言させていただきました。
現状では、国家がどのような中小企業支援施策をうてばいいのか、正直なところ浮かびません。
ただ、中小企業は日本全国に420万社あり、そこで雇用されている方々は4000万人だそうです。つまり、日本の人口(約1億2700万人)の3分の1の方々が、中小企業に雇用されているのです。そのような中小企業に、税金を投入して国家的な支援をしていくことは当然大切なことですし、必要なことです。
無駄に税金を使ってはいけませんが、国民の3分の1の方々が雇用されている中小企業を元気にすることは国家的な責務といえるでしょう。有効な対策を練っていただきたいです。
そのような意味では、まずは、国家の中小企業支援施策をもっと使い勝手のよいものにしていく努力から初めていけばいいような気がしております。
今回は珍しくマジメに語らせていただきました。
と思ったら、「最後にゴルフ場の写真かよ」と突っ込まれそうですね(笑)。
違います。芝生が青々としておりますが、ゴルフ場ではありません。
函館五稜郭の中心部の公園の芝生です。