先日、東京の弁護士会館で、法曹三田会の研修会が開催され、私も出席してきました。
法曹三田会というのは、慶應義塾大学の卒業生で弁護士・裁判官・検察官の法曹三者で組織する団体で、私が法曹三田会の研修会に出席するのは、村松謙一先生の事業再生に関する研修会以来、2回目のことです。
演題は「株主総会にかかる弁護士」ということで、講師は岡野谷知広先生でした。岡野谷先生は、「株主総会想定問答集」(商事法務)の共同執筆者の一人で、株主総会の分野で著名な先生です。もちろん、慶應の卒業生の方です。 講義では、株主総会対策を意識した昭和56年の会社法改正の概要と、当時は「総会屋対策」と言われていた株主総会対策のお話に始まり、現在における株主総会対策は、①総会前日までに賛成票をいかに集めるか(機関投資家対策)、②一般株主に総会に出席したことへの満足をいかにもってもらうか(安定株主対策)ということになるとのことでした。②の安定株主対策は、かつては保険会社や銀行が株式の持ち合いをしていて安定株主になってくれていましたが、不況により株式の持ち合いが減ってきて、一般株主が増えてきたことにより、ライブドア事件などにつながりました。だからこそ、株を所有する一般株主に安定株主になってもらう必要があるのです。
そのような中、弁護士が株主総会に関与する意味は、「瑕疵のない株主総会決議を成立させること」だそうです。つまり、決議を賛成させるということより、決議が取り消されないように、いかに瑕疵なき決議を成立させるのかに弁護士の力が求めれているということです。平たく言うと、株主総会に手続面などにルール違反などがあった場合、決議が取り消されてしまうことがあるので、それを防ごうということです。 その上で、総会前と総会当日に分けて、どのような準備をし、注意をすればよいのかについてご説明いただきました。
具体的なお話をふんだんに交えて下さり、とても分かりやすくて勉強になりました。
私自身は、株主総会の指導をたまに受任することがありますが、今回の研修で学んだことを実践していきたいと思います。
また、株主総会でなくとも、議事運営の仕方などは、例えば、事業再生や破産の時のバンクミーティングや従業員説明会にも参考になりそうでした。
さて、法曹三田会の研修会の翌日は、このお知らせ欄にもよく登場される村松謙一先生の光麗法律事務所様を訪問させていただきました。
村松先生の世界(本拠地の雰囲気)に触れることで、村松先生のエキスを吸うことができ、とても勉強になるとともに、元気もいただきました。
私は、経営者としては京セラの稲盛和夫名誉会長を、弁護士としては村松謙一先生を師匠としてお慕いに、目標にしております。
かの有名な鳥飼重和弁護士さんは、弁護士になりたての頃、ファンだった久保利英明弁護士さんの講演のおっかけをしておられたそうです。憧れの方のおっかけをしてその方の空気に触れることを繰り返すことがいかに大事なのかということだと思います。
私も出来る限り、稲盛塾長や村松先生の講演を聴きに行ったり教えを請うことをしていきたいと思います。
その後、日弁連で中小企業法律支援センターの会議に出席し、新たに出会った方が素晴らしい先生だったので、その先生の事務所のHPを調べてみると、本当にスゴイ事務所でした。規模とかそういうことじゃなくて、考え方やサービスの内容がです。
今回の東京出張では、島根ではなかなか得られない刺激を受けることができました。これをうちの事務所に還元して、島根でナンバー1、オンリー1のサービスを提供できるよう頑張っていきたいと思います。