4月28日は、島根県弁護士会の定期総会が開催されました。
今回は役員として出席する初めての定期総会でした。
これまでは、「どの先生かが面白い発言や提案をするかな~」という感じで議論が白熱するのを期待しておりましたが、役員の側に回ると、出来るだけ楽に総会が終了して欲しいと考えるようになり、シャンシャンと議事が進行するのを期待してしまいました。
今回は大して議論になる話もないのかな…と思っておりましたが、「残念なことに??」いや、それは冗談として、嬉しいことに、たくさんの会員からご意見、ご質問、ご提案をいただきました。
今回、特に議論が白熱したのは、震災関連のものでした。
島根県弁護士会として義捐金200万円を支出すると議決されたのまでは良かったのですが(とはいえ、200万円の根拠についても色々質問があり、説明には労力を要しました。)、会員からは、例えば、お金を出すばかりでなく、被災地に赴いて具体的に支援することはできないのか?との質問がありました。
これについては、①既に東日本の弁護士会では被災地に赴くなどして法律相談の事業を実施していたりしており、現状のところではある程度は法律相談の需要が満たされていること、②現地では食うか食えないかの状況であり、法律相談の需要が顕在化するのはもう少し後ではないか、③現地で何が必要かが判然としないし受入体制も整っていない、などから、今の時点で西日本から敢えて人を出すのは見合わせるべきで、現状では義捐金という形での支援に留めるとの話になりました。
島根で出来る支援について、ある会員からは、被災地から島根に避難してきた人達のために、島根で法律相談に対応する需要がある旨の報告がありました。例えば、福島県から避難してきた人達に対して、特に子供達の間では、避難してきた人が放射能を浴びていたりすることに関する差別があったりして、イジメに苦しんでいる子供達を救済する必要があるとのことです(全国の弁護士の協議会からの情報だそうで、実際に島根でそのような差別があるかは不明です)。
さらに、ある会員からは、弁護士会の法律相談センターなどを通じて、被災者向けの無料法律相談事業を立ち上げるべきだとの提案もありました。
島根県弁護士会としては、これからは義捐金以外の形での被災者支援を検討していくべきかも知れません。私は、これまでは、自分の意見を言えば済む立場でしたが、これからは、副会長として、会員からのアイデアを拾い上げて、何らかの政策の形にまとめて実現にこぎつけるようにしていかなければなりません。これまでとは一味違った仕事になりますので、慎重にやっていきたいと思います。
写真は、少し前になりますが、4月中旬頃の松江の裁判所の前の桜の木です。
もし、中国電力の島根原子力発電所に事故があった場合、この松江の桜を楽しむことなど出来なくなります。
そういえば、今回の総会では、ある会員から、島根県弁護士会として、中国電力島根原子力発電所の安全性について、何らかの提言をしてはどうかとの意見がありました。
語弊のある言い方かも知れませんが、自分の身は自分で守らなければなりません。「助け合い」ということばだけに頼っていては、満足のいく支援をしてもらえるはずもありません。
島根の安全は、基本的に島根県民で守らなければなりません。もし、島根県弁護士会として、島根原発の安全性について何らかの提言をすることができたのなら、それは、「島根の安全は島根県民で」ということの第一歩に繋がるのかも知れませんね。