破産・個人民事再生

事例

Bさんは、結婚して子供も生まれ自宅も購入しました。しかし、4年前に会社をリストラされ、収入が激減しました。一方、子供も成長し支出が多くなり、再就職した会社の給料だけでは住宅ローンを含む生活費を賄いきれなくなりました。やむなくBさんは、クレジットカードのローンや消費者金融からの借り入れで急場をしのぐようになりました。弁護士に相談し、消費者金融からの借り入れについて利息制限法による引き直し計算をしましたが、住宅ローン以外の負債総額は500万円にのぼりました。

解説

Bさんの家計を考えると、住宅ローンを払い続けながら500万円の借金を返済するのは至難の業です。そこで考えられるのは、借金を全額払わなくて済むようにする自己破産か、借金の減額をしてもらう個人再生です。

まず自己破産ですが、メリットとしては、免責決定を得れば借金が全て免除されるという点(自然債務という支払義務のない債務になります)です。逆にデメリットとしては、今後数年間は借金ができなくなること、さらに、不動産や株券など高価な財産を手放さなければならないことがあります。もともと財産のない人なら問題ありませんが、Bさんの場合は自宅を所有し続けることはできなくなります。

また、よく誤解される方がおりますが、自己破産をすることで戸籍や住民票に載ることはありませんし、通常は破産したことを他人に知られることはありません。自己破産を理由に会社を解雇されることもありません。家財道具や古い車など日常生活に必要な財産は引き続き保有することができます。ですから、借金が返せない金額で、特に高価な財産をお持ちでない方は自己破産をされるのが賢明かも知れません。

次に、Bさんのように自宅を所有されていて、家は手離したくないという方は個人再生という方法があります。これは、住宅ローンは今まで通り支払うか支払期日を延期してもらう等銀行と交渉した上で、その他の借金については、その何割かを3年から5年で分割弁済すれば、残額を免除してもらえるという手続きです。ただ、この手続きは、毎月の安定した収入と本人の根気が必要になるので、決して甘くはありません。

弁護士費用

個人破産
着手金27万5千円(成功報酬込)但し、会社経営者の場合は別(税込)
個人民事再生
着手金44万円(成功報酬込)(税込)
  • どちらも、裁判所申立費用として3万円程度必要になり、破産管財事件の場合、さらに裁判所への予納金が必要になります。
  • 弁護士費用については分割払いを受け付けておりますし、収入の少ない方には法テラス(法テラスは国が設置した公的な法人です)が弁護士費用を立て替えてくれる法律扶助制度もございます。